オス犬を飼う際に覚悟しておかなければいけない「マーキング」行為。
特に室内でされると、掃除も大変だし壁や家具がダメになったりと困りものですよね。
今回はマーキングについて原因としつけの方法についてまとめたいと思います。
目次
犬のおしっこには2つの種類がある
排尿のため
一つめが、溜まった尿を体外に排泄するための、通常の「おしっこ」です。
生後5〜6ヶ月に満たない子が足を上げておしっこをするようになった場合、マーキングではなく、足を上げてのおしっこを覚えたということが多いです。
排尿目的なので、1回で出しきるほど量は多いです。
アピールのため(=マーキング)
二つ目が、自分の感情を伝えるための「マーキング」と呼ばれるおしっこです。
こちらは通常のおしっこよりも少し臭いがきつく、少量で回数が多いのが特徴です。
さらにこのマーキングには、大きく2つの原因があります。
男性ホルモン分泌によるもの
オス犬が成長すると、精巣が発達し男性ホルモンが分泌されます。
そしてメス犬に自分の存在をアピールするため、壁や柱などにおしっこを掛けて自分のにおいを残します。
また、別のオス犬に対しての縄張りアピールのためにも、「自分はこんなに大きくて強いんだぞ」「僕の縄張りに近寄るな」と伝えるため、出来るだけ高い位置におしっこを飛ばせるよう足を上げて「マーキング」をします。
不安やストレス、主従関係の誤解によるもの
家を引っ越した、など犬を取り巻く環境が変化すると、犬は不安になります。
また赤ちゃんが生まれたりして自分に構ってもらえなくなった、という場合も嫉妬がストレスになります。
そういった犬を取り巻く環境に変化があった場合、犬は「ここは僕の縄張りだぞ!」と伝えるため、室内でもマーキングを行うようになります。
また甘やかしすぎた結果、犬が飼い主よりも上の存在である、つまり「僕の方が人間よりも偉いんだ」と勘違いしてしまっている場合も同様に自分のテリトリーを保持するためにマーキングを行います。
・ 人が食事中に、ついゴハンを分け与えてしまう
・ 一緒に寝ている
・ 室内で放し飼いにし、自由にさせている
・ 甘噛みを許している
こういった行為を日常で行なっている場合は、犬にとって主従関係が逆転しているかもしれません。
ではどうしたら足上げおしっこをやめさせられるのか?
足上げおしっこをする原因を特定する
まずはその足上げおしっこが「排尿なのか?」「マーキングなのか?」。
そしてマーキングなら「ホルモンの分泌によるものなのか?」「ストレスや主従関係によるものなのか?」と原因を考えてみることです。
排尿目的のおしっこの場合の対応
足を上げておしっこをし出して間もない場合は、おしっこの最中にそっと足をおろしてあげ、立ったままの体制でするように誘導してあげましょう。
犬がおしっこをする「寝起き」「食べたあと」「遊んだあと」などタイミングを見計らって、足上げおしっこが「習慣」にならないよう阻止します。
そして立ったままおしっこをしたら思いっきり褒めてあげ、おやつを与えたりなんかすると「立ったままおしっこをする=良いことがある!」と覚えてくれます。
もし留守が多くておしっこのタイミングに居合わせられない、足上げおしっこをし出して時間が立っていて習慣になっている場合はしつけは難しいかと思います。
その場合は、足上げおしっこ専用のトイレトレーに変更するなどして、家を汚さないよう環境を工夫しましょう。
マーキングのおしっこの場合
男性ホルモンの分泌によるもの
オス犬の精巣が発達しきる前に「去勢手術」を行います。
だいたい生後半年から、2〜3万円ほどで日帰り手術を行えます。
飼い犬の繁殖を目的としていないならば、去勢手術はマーキング防止の他にも様々な病気の予防にもなるので、しておいた方が良いでしょう。
去勢手術をすることでマーキングが減った、無くなったという声は多くあります。
不安やストレス、主従関係の誤解によるもの
これらが原因でマーキングをしている子は、残念ながら「去勢手術」は効果がありません。
我が家のように、今まで無かったのに去勢手術後にマーキングが始まってしまった、という場合も・・(泣)。
犬の感情によるものの場合は、そうなっている原因を排除することでマーキングをやめさせます。
例えば留守にしがちで寂しい思いをさせている場合は、一緒にいられる時間はできるだけ犬と向き合ってあげること。
飼い主と立場が逆転している場合は、そうさせてしまっている原因をやめること。
例えば、
・ごはんは必ず人間が食べ終わってから与える
・甘噛みをしてきたらやめさせる
・犬用のゲージを用意し、生活空間を切り分ける
などです。
トイレに成功・失敗した時の対処法
よく犬は永遠の3歳児、なんて言われます。それだけ物事を単純に理解してくれます。
トイレに成功した場合
前述のとおり、立ったままトイレでおしっこをしたら、大げさなほど褒めてあげます。
できればその都度おやつをあげると良いでしょう。(ただし与えすぎは肥満の原因になるので、ほどほどに)
犬がブンブン尻尾を振ると喜んでいるというサインなので、これでもか!というほど褒めてあげます。笑
そして「立ったままココ(トイレシーツ)でおしっこをすると、良いことがあるんだ!」と学習させます。
トイレに失敗した場合
家具や壁などにマーキングをしてしまった場合は、臭いが残らないように綺麗に拭き取りましょう。
尿の臭いを取り除く専用の消臭スプレーは持っておいた方が良いアイテムです。
臭いが少しでも残ってしまうと、また同じ場所にマーキングをする場合がありますので、掃除は念入りに行います。
室内でのマーキングは怒るべき?無視するべき?
「コラ!」と言ってちゃんと”自分は怒られている”と認識できる子は良いですが(間違っても体罰はダメですよ!)、
もし怒ったらテンションが上がっている、尻尾を振っているなどの素ぶりがあれば、飼い主は怒っているつもりでも、犬にとっては「構ってもらえた」「遊んでくれるの?」=「寂しいときマーキングをすれば僕のところに来てくれる!」と間違った認識をされている可能性がありますので、そういった場合はマーキングをしても無視をし、粗相した場所だけ臭いが残らないように掃除をしましょう。
室内にゲージがあり、出たがっていたので出して遊ばせていたらマーキングしてしまった、という場合、またゲージに閉じ込めてしまうというのも効果的です。
まとめ
おしっこをする体制は同じですが、その意味と原因は様々なので、ひとつずつ特定して根気よくしつけを行うのが成功のポイントです。
きちんと言いつけを守ってくれた愛犬はたまらなく愛しいものです。
オス犬と足上げおしっこのしつけは、一部の子を除き切っても切れぬ宿命ですので(笑)、良い子に育つようにがんばりましょう!