資産運用

女性は特に注意!確定拠出年金(iDeCo)メリットとデメリット

2017年1月に加入対象者が大幅に拡張された確定拠出年金(iDeCo)。税金面で大きく優遇されるこの制度ですが、人によっては加入することで逆に損をしてしまうことも。
今回は確定拠出年金(iDeCo)のメリットとデメリットについてまとめました。

はじめに

公的年金額の減少、年金受給年齢の引き上げなど、定年退職後に迎える「老後生活」を支えるために生まれたこの制度。ちょっと具体的な数字を出して見ていきましょう。

60歳以降の家計収支

高齢夫婦の無職世帯の1ヶ月の家計収支は、収入が約21万円/月支出が約27万円/月約6万円/月の赤字です。
※総務省 家計調査年報 平成28年の家計概況より
この不足した6万円/月を、それまで積み立てた貯金で補っていく生活になります。

どんどん引き上げられていく支給開始年齢

昔は60歳から年金が支給されましたが、今は65歳。定年退職の年齢が60歳とすると、年金支給までの5年間は無収入となります。
上記の支出額(27万円/月)で5年間過ごした場合、

324万円/年 × 5年 = 1,620万円

となり、これはほぼ平均的な退職金の額とほぼ同額の数字になります。

つまり年金支給が開始されてからも不足してくる6万円/月という金額は、それまでに自分で貯めないとなりません。
これを日本人の2016年度の平均寿命(男性81歳+女性87歳÷2=84歳)にざっくりはめると、

6万円/月 × 19年間 = 1,368万円不足

こんな感じ。
退職金を除いて1,368万円の貯金が必要となってくると、ぞっとしますよね。大丈夫か日本・・・

そこで頼れる確定拠出年金(iDeCo)

働けるうちに積み立てていくことで国民年金や厚生年金と合わせて老後の資産を形成する確定拠出年金。
個人型と企業型があり、最近は加入する企業も増えてきました。

確定拠出年金(iDeCo)のメリット

  1. 税金面が大きく優遇される
  2. 運用益が非課税である
  3. 加入期間10年で60歳から受給可能

税金面が大きく優遇される

加入者拠出額は「所得税が非課税」「住民税が非課税」「社会保険料の対象外」となります。

運用益が非課税である

「元本確保型商品」 と「元本変動型商品」があり、元本確保型商品は銀行の預金などのように、投資した元本+と少しの収益が戻ってくるもの。元本変動型商品は元本が目減りする可能性もありますが、大きな収益が期待できる商品でもあります。
この運用による収益も確定拠出年金(iDeCo)では非課税となります。

加入期間10年で60歳から受給可能

加入期間が10年を超えると、60歳から年金を受け取ることができ、例えば退職金がない、あっても少ないなど65歳の年金支給まで待てない方には助かる制度となっています。

確定拠出年金(iDeCo)のデメリット

  1. 60歳まで払出が出来ない
  2. 支出額が収入額を上回る可能性がある
  3. 自己申告&自己管理が必要

60歳まで払出が出来ない

60歳を迎えるまでに、急遽お金が必要になっても確定拠出年金(iDeCo)に拠出した額は払出が出来ません。
加入期間が短いと、受給可能になる年齢が引き上げられます(最長加入期間2年未満で65歳)。

支出額が収入額を上回る可能性がある

確定拠出年金(iDeCo)は確定給付年金や年金保険と違い、将来戻ってくる金額は確定していません。
元本変動型商品を選ぶと元本割れしてしまう可能性もありますし、元本確保型商品を選んでも将来的な貨幣価値の変動によって実質的に損をする場合もあります。

自己申告&自己管理が必要

運用(配分変更やスイッチング)は自分で行う必要があり、それにあたり情報を集める時間、手続きを行う時間が必要になってきます。
また60歳の受給開始年齢を迎えても、給付には自己申告が必要になります。

本題。加入に気をつけなければいけない人は?

デメリットを踏まえたとしても、税金優遇面などでやはりメリットの大きい確定拠出年金(iDeCo)。
ではどんな人が特に加入にあたり気をつけなくてはならないでしょうか?

将来的に妊娠する可能性のある会社員の女性


働く女性が加入するにあたり注意したいのがこちら。
今はバリバリ働いているけど、将来的に妊娠、出産して育休を取得する可能性があるという女性は注意が必要です。
なぜなら確定拠出年金の拠出額は給与から引かれ、受け取れる育児休業給付金額が減少し、減少額の方が確定拠出年金で得た税金控除額よりも上回る可能性もあるからです。

シミュレーション

・給与30万円/月(年収360万円)
・掛金額1万円/月
・加入後すぐ妊娠が発覚
・産休・育休を1年1ヶ月取得

確定拠出年金(iDeCo)で得られる金額

給与が月額30万円(年収360万円)(課税所得142万円)の女性が、毎月1万円を確定拠出年金に当てていると、所得税と住民税から引かれる税金、節税額は約1,500円/月(約18,000円/年)となります。

育児休業給付金で引かれる金額

確定拠出年金に加入せず、給与が全額計算対象になる場合の育児休業給付金は182万円(産休後10ヶ月間)となり、月額18.2万円が手当てとして給付されます。
確定拠出年金に加入して、毎月1万円拠出し、30万-1万円=29万円が計算対象となった場合の育児休業給付金176万円(産休後10ヶ月間)となり、月額17.6万円が手当として給付されます。

つまりまとめると・・・

■確定拠出年金加入で得られる金額
1,500円/月

■確定拠出年金加入で減ってしまう金額
6,000円/月

となり、短期的に見ると、結果的に4,500円/月、損をしてしまいます。

もちろんこれは加入後すぐに育児休業を取得したという仮定で、長期的に見るとやはり確定拠出年金は加入した方がメリットは大きいと思いますが、
これから近い内に妊娠の可能性がある方は、育休復帰後に加入した方が良いかもしれません。
※ここで紹介した仮定はオンラインのシミュレータを元にしたデータで、実際は住んでいる地域や取得する時期、給与の支給内容等により誤差が発生します。あくまで目安程度に捉えてください。

女性だけじゃない!男性も含めて意識しておくべきこと


確定拠出年金に加入している男性が育児休業を取得する場合もですが、病気・ケガをして働けなくなった時の傷病手当金なども同じことが言えるので、給与の額面が給付額に影響する制度についても注意が必要です。

住宅ローン減税を利用している方も注意

確定拠出年金加入により課税所得が減った場合、住宅ローンで減税出来る金額も減ってしまい、確定拠出年金の恩恵を十分に受けられない場合も。

それでも入りたい!確定拠出年金(iDeCo)

一部の人を除き、それでもやはりメリットは大きい確定拠出年金。
仮に22歳から60歳まで月額20,000円の掛け金を38年間積み立てた場合、

■年利0%(=拠出額)で運用した場合
912万円

■年利2%で運用した場合
1,364万円(+452万円)

■年利5%で運用した場合
2,716万円(+1,804万円)

の利益が出ます。

また年金を一時金として一括で受け取る場合、2,200万円まで非課税となります。(税金は一時金の方がお得なのです)

まとめ

いかがでしたでしょうか。
メリットも大きい反面、意外なところに落とし穴もある確定拠出年金(iDeCo)。
老後の資産形成は先を見据えてこつこつ準備していきたいですね。

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